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2022.8.9
2022年8月9日
東都興業株式会社は1963年の創業以来、フィルム止め部材を中心に施設園芸に関わる製造販売を手掛け、近年では自動換気装置の製品ラインナップを充実させています。
今回はセラクと共同開発した『電動カンキットN制御盤Plus』について、営業本部 広報室の勝田徹様にお伺いしました。
※「電動カンキット®」は、東都興業株式会社の登録商標です
――共同開発した『電動カンキットN制御盤Plus』の基本機能についてお聞かせください。
『電動カンキットN制御盤Plus』は、当社の開発したハウスの自動換気装置『電動カンキットN制御盤』とセラクさんの『みどりクラウド』を連携し、遠隔地からビニールハウスの温度モニタリングと換気操作をするシステムです。
アプリを使って温度や感度、開度といった各種設定を行えるほか、5段階制御で動作する駆動機の現在位置で換気の開口状態を把握、操作できます。また、ログ機能で過去の設定変更や通信エラー履歴、設定温度に対するハウス内の温度推移を確認ができるため、データに基づいた適切な温度管理ができます。
――セラクを共同開発のパートナーに選んでいただいた理由をお聞かせください。
施設園芸の分野ではロボットやAI、IoTなど最先端技術を活用するスマート農業の導入が進んでいます。その中でもハウス内の温度や湿度、CO₂濃度などをモニタリングして、ハウス内環境を制御する複合環境制御や統合環境制御については早くから取り組まれてきました。しかし一部のユーザからは「多機能だがコストが高い」「操作が複雑で使いこなすのが難しい」「換気を制御できるだけで十分」という声もありました。そこでユーザの要望に応えるため、当社は独自に自動換気装置のIoT化について研究を開始しました。
丁度その時期に、セラクさんの『みどりクラウド』と当社の換気装置の連携に関してご相談をいただきました。生産者や官公庁、研究機関からの評価の高さだけでなく、直感的に操作できるアプリUIや優れたコストパフォーマンスに魅力を感じたため、セラクさんと共同開発させていただくことに決めました。
――セラクとの共同開発の感想をお聞かせいただけますでしょうか。
セラクさんは環境モニタリングに関する実績があり、現場の実情をよく把握されている印象でした。今回も「単棟・小規模の場合、省力化に大きく寄与できるので遠隔換気制御に機能を絞った製品に需要がある」という当社とセラクさんの現場ニーズ把握が噛み合っていたと思います。また、スケジュール管理や担当者間の情報共有の徹底などをセラクさんに主導していただき、2社の知見を持ち寄って意見交換しながらスムーズに開発を進められたと感じています。
――最後に、今後のスマート農業に関する製品提供についてお聞かせください。
省力化や収量増に寄与するスマート農業の普及は施設園芸においても重要な課題です。しかし、費用対効果を考えると栽培品目や作型によって投資上限が異なるため、高性能なハイエンド機器だけでなく、現場に合わせた機器が必要だという声が上がり始めています。IT分野における経験が豊富なセラクさんとの連携を通じて生産者様の営農の効率化・収益性向上に役立つ製品を提供し、当社だけでは解決が難しい課題へのサービスを拡充していきたいと考えております。