農業に関する情報を発信します
2023.1.26
水耕栽培を行う植物工場では、栽培時に利用する養液が植物の生育を左右するため、養液管理が重要事項となっており、管理に利用される指標には、 pHとEC(電気伝導度)があります。
[pH]
養液中の肥料成分の溶解やイオン化に関わるpHは、一定範囲を超えて上下すると、必要な養分が吸収できなくなり、欠乏症を発生、生理障害につながるため、 定期的な計測で必要に応じてpH調整剤を投入することが安定的な生産に不可欠です。
[EC(電気伝導度)]
肥料濃度や塩分を推定するために利用されており、 定期的な計測により、必要な分だけ肥料を投入して安定的に生産するとともに、不必要な肥料利用を回避することで経費を節減できます。
pH・ECは通常、ハンディ型のセンサー等による定期的な計測によって管理されていますが、次のような課題を抱えていました。
依頼は、 pH・ECを連続的に測定し、遠隔で確認できるようにしたいとの要望でした。
みどりボックス※1に、セムコーポレーション社のセンサーを接続することで、みどりモニタ※2上においてpH・EC値の確認を可能にしました。通常、みどりボックス※1に接続できるのは、セラクの標準センサーだけですが、アナログセンサーが接続できるADコンバーター経由で、セムコーポレーション社製のセンサーのアナログ出力を接続。みどりモニタ側でAD変換された電圧値をもとに、pH・ECのデータを処理するロジックを追加し、正しいデータを取り扱えるように実装しました。
※1 みどりボックス:セラクが提供する圃場環境遠隔モニタリングサービス「みどりクラウド」利用時に圃場に設置するハードウェア
※2 みどりモニタ:みどりボックスで取得したセンサー値や画像データの可視化を行うアプリケーション
これにより、養液のpH・ ECの連続測定が可能となり、遠隔からの確認を実現。より安定的な生産、問題発生時の原因追及が可能となりました。
本事例において利用したアナログセンサー接続ができるADコンバータは、他のセンサーでも可能で、以下の事例があります。