農業に関する情報を発信します
2023.1.26
ある農業生産組合のトマト部会では、各生産者から収穫量の予測データを収集し、それを集計して販売先を開拓する営業活動を行っています。
収穫量予測の精度は生産者によってまちまちのため、予測が外れることがしばしば起きます。予定していた収量よりも一定割合以上、下回った場合には、ペナルティを受けるか、他から調達して数を揃える必要があるため、収益に大きな影響が出ます。 そのため、依頼では、環境データなどをもとに正確な収量予測を行えるようにしたいとの要望がありました。
環境データをもとに収量予測を補正するAIモデルを構築、生産者の収量予測を基に、ペナルティをできるだけ発生させない方向で補正することにより、実績との差が一定割合以上、生じない収穫予測を実現しました。単純に環境データと収穫量をもとに予測モデルを構築したところ、生産者が予測した収穫量の方が精度が高く、環境データ以外の要素も収穫量に大きな影響を及ぼしていることから、生産者はそれをみて判断していると思われます。そのため、生産者が予測したデータを環境データをもとに評価、必要に応じて下方修正するAIモデルを構築しました。
生産者が提出している予測量と実際の出荷量を比較したところ、平均絶対誤差は20〜30%であり、一定の正確性がある
生産者の予測を環境データを用いて補正することで正確性を高める
セラクにはデータサイエンスの専門チームがあり、AIや機械学習、統計解析などを手掛けているため、さまざまな経営課題に応じた分析、AIモデルの構築を行うことが可能です。