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2018.11.19 画像処理を使って葉物野菜の生育度を見える化した話

こんにちは、みどりクラウド技術開発部のS.Kです。

今回は農業情報学会2018年度年次大会で発表した、葉物野菜の生育度を数字として見える化した技術についてお伝えします。

 

なぜ見える化が必要なのか

ご存知の通り、みどりクラウドは圃場モニタリングシステムです。

気温、水温(地温)、湿度、日射量、CO₂濃度、土壌水分度、土壌ECと、最大7項目の環境情報が記録されます。

これらの情報を、作物の生育ステージに合わせて適切にコントロールすることが大事です。

それでは、現在の生育ステージはどのように知るのでしょうか?

定植からの日数や季節などでおおよその検討はつきますが、一番確実なのは植物体そのものを「人の目」で観察することでしょう。

観察がもし自動化できるならば、生育状態を数値化することで、環境情報のより高度な利用や生育予測へと繋がる可能性があります。

そこで「人の目」を「機械の目」に代行してもらおう、というのが今回のお話です。

 

 

 

ゴールの設定

まずは取り掛かりとして、葉物野菜の高さを数値化することを今回の目的とします。

単純にカメラの画像から緑色の部分を抜き出せばいいと思うのですが、実はこれには問題があります。1つは、カメラの設置方法によって見かけの大きさが変わってしまう点。もう1つは、機械が何をもって緑色と判断するかです。

 

 

 

ステレオカメラとクラスタリング

そこで私達は、ステレオカメラとクラスタリングという技術を駆使してその問題を解決しました。

ステレオカメラ

ステレオというのはもともと「立体」という意味があり、ステレオスピーカーは左右の音を別々に鳴らすことで臨場感のある聴こえ方を作り出します。

ステレオカメラもそれと同様に、左右に配置されたカメラの画像を合成して、立体的な情報を復元します。立体的な情報が復元できれば、カメラから遠かったり近かったりするものも、正確な大きさを知ることができるのです。

 

 

 

クラスタリング

クラスタリングというのは、似ているものをまとめる操作のことです。

カメラで撮影されたデジタル画像は、それぞれのピクセルが色を持っています。さらに、ステレオカメラの画像は同時に立体情報も含んでいます。

これらの色+立体情報をクラスタリングすると、似ている色・近い場所にあるピクセルをまとめて拾い集めることができるのです。カメラに近い緑色ピクセルだけを拾い集めれば、作物の形状が取得できるという寸法です。

 

 

 

(有)だんだんファーム掛合様へ実験機を設置

以上の技術を現場で検証するため、みどりクラウドユーザー様にご協力いただき、実証実験を行いました。

今回ご協力いただいたのは、島根県雲南市にて葉物野菜を中心とした生産をされている「だんだんファーム掛合」様です。

(有)だんだんファーム掛合公式HP

お隣の奥出雲町には弊社の農業IT研究所があるので、研究所の常駐エンジニアが実験機をハウスに設置しました。

実験機はみどりボックスPROを改造し、ステレオカメラを接続したものです。通常の環境モニタリングに加えて、ステレオ画像をクラウドに蓄積していきます。

 

結果

実験機から蓄積されたステレオ画像全てに対して、クラスタリングによって作物領域を抽出していきます。作物だと判断されたピクセルだけ描画するとこうなります。それぞれのピクセルは立体情報も格納しているので、この中から地面からの高さが最も大きい値を抜き出せば、作物の生長高さを数値化することができます。

 

一部期間について、生長高さを時系列順にプロットしてみます。日々の生育が数値として見える化することができていそうです。

 

 

今後の展望

我々は今後も、みどりクラウドの機能向上のための研究開発を進めていきます。

画像解析の他にも環境分析や予測なども行っているので、いずれ記事としてお伝えしたいと思います。

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