株式会社セラク(東京都新宿区、代表取締役:宮崎 龍己、以下当社)は、東京富士青果株式会社(東京都中央卸売市場板橋市場 青果卸売事業者、株式会社R&Cホールディングス グループ)、株式会社大治(東京都中央卸売市場大田市場 青果仲卸事業者)などと立ち上げた「板橋市場活用型有機農産物物流実証実験プロジェクト」(以下、当協議会)として、物流効率化による配送コスト低減を目的に、オンライントレードプラットフォームと市場便の活用による有機農産物の新たな流通方式の確立に向けた実証に取り組むことを発表いたします。
現在、農林水産省はみどりの食料システム戦略の中で、2050年までに有機農業の取組面積の割合を全体の25%である100万haまで拡大することを目標に掲げています。こうした取り組みによって、今後有機農産物の生産量が増大することが予想される一方で、現在、国内の食品市場における有機農産物は、国内農業総生産額の2%に満たない2000億円程度にとどまっています。有機農産物の需要が拡大しない要因の1つに、その多くが小口取引であるため、宅配便などの個別配送による輸送が行われ、輸送コストが高いことが挙げられます。今日、物流2024年問題が顕在化している中で、今後、こうした小口輸送のコストはますます上昇して行くことが予想されます。
そこで、当協議会では、有機農産物の輸送コストを従来と比べて30%低減することを目的に、オンライントレードプラットフォームを活用した商流の取りまとめによる大ロット化、及び、産地-市場間を結ぶ安価な市場便を活用した物流の効率化を行い、有機農産物の新たな流通方式を確立に向けた実証を行います。
オンライントレードプラットフォームでは、産地が有機農産物の出荷予定、希望価格を登録し、その情報をもとに仲卸が実需企業との交渉を行います。産地で希望価格を決定するために、慣行野菜の市況価格や当社が株式会社ウェザーニューズと共同で開発を行った産地出荷量予測情報を提供します。これらの情報により、慣行野菜の市況を踏まえつつも、有機農産物特有の相場の形成がなされることが期待されます。
また、取引が成立した有機農産物の輸送は、産地と市場を結ぶ市場便を活用し、慣行野菜との共同輸送を行うことで輸送コストを抑えます。市場では、有機JAS小分け認証を有する株式会社大治によって小分けが行われ、実需者に配送されます。
今回の実証を通じて、市場を活用した有機農産物の新たな流通方式が確立されることで、物流2024年問題の緩和や、有機農産物需要の拡大といった効果が期待されます。
なお、本実証事業は農林水産省「令和5年度 物流生産性向上推進事業」(事業主体:公益財団法人食品等流通合理化促進機構)の支援により実施されます。
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