めぐみ農園は、反岡恵美さんが1人で始めたトマト農園です。非農家出身ながら農業に興味を持ち、20代で農家へ転職。農業を選んだのには、ご自身の家族が喜ぶことを仕事にしたいという反岡さんの思いがありました。作物をトマトにしたのも「姉がトマト好きだから」が理由です。 農業を始めた広島の大崎上島町は人口約7000人。決して規模の大きな島ではないですが、ベテラン農業者から経営アドバイスをもらえるといった組織的なサポート体制が整えられており、新規就農者にも優しい環境です。 栽培したトマトの出荷だけでなく規格外品を加工したトマトドレッシングを販売するといった収益を増やす工夫で見事に定着に成功しています。
農業を始めた当初、経験不足の私は自分の圃場の状態を見極められず、島にいるトマト栽培の師匠に相談する際にも、写真や感覚的な情報しか手がかりがなく困っていました。少しずつ経験を積み重ねているはずなのに、課題に直面した際にうまく経験を活かせない。記憶頼りでは圃場について、以前経験した状態と現在の状態を上手く比較できず、もどかしい状態でした。 一方で、トマト栽培の専門書には数値で表現してされている情報が多く、自分の圃場や作物の状態を数値化しないことには、得た知識を活用できないという問題もありました。 丁度そのような時期に、お世話になっている資材屋さんから勧めていただいたのが「みどりクラウド」です。師匠のアドバイスを圃場モニタリングの数値と紐づけて把握できるようになり、今では蓄積したデータに基づいて課題解決の方法について考えられるようになりました。
経験者のアドバイスのお陰で、トマト栽培で注意すべきタイミングが分かってきました。成功と失敗のデータを蓄積していくことで、そのタイミングごとに、どのデータに注意すべきかが分かってきました。 上手く栽培できた際の土壌水分と土壌温度やトマトが赤く色づくまでの積算温度、苗に悪影響が出る飽差の状況、接木の育苗に関する湿度など、大事なポイントを意識することで、生産量の安定につながっています。
「みどりクラウド」には、互いに承認したユーザと圃場の環境データを共有・比較する機能があります。これまでは自分の圃場データを中心に利用してきましたが、今後は他の圃場環境との比較といった新しい視点を取り入れて栽培技術を向上させていきたいです。 最近では新規就農者が増えていますが、「1つも同じ圃場は無い」と改めて感じています。誰しも最初は上手く行かなくて当たり前です。自分の圃場環境をデータ化し、しっかりと特性を把握していくことで上手くいかない原因や解決すべき課題が見えてきます。無駄な失敗は無いので、恐れず前向きに頑張りましょう。
圃場にセンサを設置するだけで、作物の生育環境や状況を自動で計測・記録、そのデータをPCやスマホなどに表示し、離れた場所からいつでも確認できます。